ここ1週間で急に秋の気配が増し、少し疲れが出てきましたので、今回は、ちょっと箸休め。余談です。
会社を作るといろいろな体験ができます。
その過程で、どうやらわたくし、銀行で怪しい人と思われたらしく、実に興味深い経験をしました。
株会社を設立する過程では、”定款”とよばれる会社の組織や運営に関する基本的なルール、いわば会社の憲法のようなもの、を作成し、公証人に認証を受け、定款が認証され次第、発起人の口座に出資金を振り込みます。
この段階では、まだ会社の登記は済んでいないため、当然ですが会社名義の銀行口座もありません。このため、発起人の口座に出資金を振り込み、登記完了後、法人名義の口座を開設しそちらに移すことになります。
ご存じのように、銀行振り込みは通常、手数料がかかります。
私はこの手数料をお支払することに納得がいかず、何とか振込の手数料のかからない方法はないかと考え始めたのです。(会社作るのにこんなところでケチってどうすんのよ、と今は思いますが。。。)
仮に、出資金の振込先をU銀行、私が振り込みたい資金を預けてある銀行をM銀行としましょう。
M銀行からU銀行に振り込みをすると840円の手数料がかかります。
実際には、お札が運ばれるわけではなく、コンピュータ上でデータ交換して、M銀行の残高が減り、U銀行の残高が増えるだけなのですが…。銀行さんに手数料をお支払するくらいならその分でビールでも飲んだほうが気持ちがいいぞ、なんて思ったりして。
それで、手数料なしで送金できる口座のあるX銀行まで出資金を持参し、X銀行の口座に入金し、そこからU銀行に振り込むことにしたのです。ちなみに、X銀行とM銀行は徒歩で2分、実に簡単です。
M銀行での引き出しはあっという間に終わり、いざX銀行へ。窓口で現金を入金しその後U銀行に送金する予定だと伝えると、いろいろ根掘り葉掘り聞かれ…。
根掘り葉掘りの内容は、おもに2点。 =>の後ろは私の応答です。
1.その現金はどのようにして入手したものか =>株を売却
2.なぜ、X銀行に入金して即時にU銀行に送金するのか =>新規設立する会社の出資金なので速やかに処理したい
わたくしはっきりと答えました、
「840円の送金手数料を支払うのが納得いかないので、こちらの銀行の口座からなら無償で送金できるため、持ってきました。この資金は、ここからすぐ近くのM銀行に預けてありました。必要なら払い戻時の控えをご覧になりますか?」
窓口嬢、困り顔。しばし沈黙の後、裏手に下がり、上司の指示を仰いでいる模様。
銀行のフロアは人影はまばら、お客はほとんどいないのに、かれこれ40分位待たされました。
窓口嬢戻ってきまして、
「お客様のご事情はよく理解できました。ただ、当局の指導がありまして…」
と歯切れが悪い。私が、資金が期日までに振り込まれないと、その後のビジネスに多大な問題が起こると、食い下がると、困り果てた顔で、再度裏手に、しばし待たされ、ようやくOKが出ました。
今までの事を整理してみると、
1、現金を窓口に持参し入金、2その後即他行へ送金する旨の依頼、この2つの組み合わせがどうもよろしくなかったようです。
金額自体は、かわいいものだったので銀行側の都合というよりは、”当局の指導”が引っかかっていたらしい。つまり、怪しい現金を持ち込んで、それをX銀行からU銀行に送金することで、”お金の洗濯”をしている恐れがあるとみなされ社内チエックに時間がかかっていたらしい。
当局の指導、という点では、X銀行は当時も今も時々”当局”から指導を受けているため、余計に神経質になっていたのかもしれません。
あるいは、私の風貌が怪しすぎて、株を売って得た資金、や会社設立の出資金、という答えに信憑性がなかったのかも???
お話は長くなりましたが、マネーロンダリング疑惑(?)をかけられるというレアな体験をすることができました。
長い間待たされた甲斐あり、出資金は無事無料で振り込まれ、予定通りの日程で会社設立は完了しました。(1時間かけて840円の節約ってどうよ、と今は思い、反省しています)
ちょつと暑苦しいお話になってしまいましたが、いろいろ経験できて面白い一日でした。
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