2012年10月14日日曜日

下部消化器X線検査の結果を聞いて


「相手の身になって対応しなさい」や「お客様だったらどうして欲しいか考えてみなさい」なんて言葉は、新入社員研修でも、顧客満足度向上セミナーでも必ず耳にしそうな言葉である。

では相手の身になったり、お客様のご要望がわかるようになるのにはどうしたらいいのだろうか?
センスのある人、感性の優れた人は努力でできるのかなぁ…、でも凡庸な私には、難しそうだなぁ、というのが、わたしの自己評価である。

話は変わるが、あまりにも相手の事を考えない対応に私自身が大いに不満を感じ、不信感をいだいてしまった経験をご紹介したい。

ある年に人間ドックの結果、精密検査を進められ、大腸にバリウムを注入しX線撮影または内視鏡検査のどちらかの受診を勧められた。
担当の医師の推奨はX線撮影だった。ご存じの方もおいでになるかと思うが、この検査では、おなかの中を空にしなければならないため、前日の3食は病院から提供された検査食のみ、飲料も制限される。その上で当日は、あまり楽しくない(ちょっと恥ずかしい)検査を受けなければならないのである。

不安を残したま放置するのは精神衛生上良くないので、医師おすすめのX線検査を選択した。
精密検査の結果を聞きに行くと、医師が開口一番に発した言葉は下記のようなものであった。

「お水を飲みませんでしたか??写真では腸内の水分が多すぎて判断できないので再検査するか半年後にまた来てください」

わたしは「もちろん検査前は水分摂取も含めご指示の通りに前日を過ごしました」と答えながらも、この医師は自分自身はこの検査受けたことがないんだろうなと直感し、別の医師を探そうと決意した。

検査前日から、生活面で様々な制約を強いられ、楽しくない検査を敢えて受信した患者に向かって、レントゲン写真の読影が出来ないからといって、その原因をまず患者に求めるなどというのはひどい。
一度でも同じ経験をしていれば、受診に係る生活の不便さや不快な経験を知っているはずで、何の根拠もないまま「あなたのせいですから再検査が必要」と軽々しくは言えないだろう、たとえ医師と患者という立場であったとしても…。

ところで、こうした相手の事情を考えないちょっと困ったやり取りは、病院だけではなく、経営コンサルタントとクライアントの間でも起こる事がある。

例えば、前年度に多額の融資を受けて大規模設備投資をしたばかりの社長に、もっと場所のいいところにもう1か所事業所を作りましょうとか、
新規事業案件の提案に収益試算が添えられていなかったりするを見てきた。

こういうことは経験を積めば自ずと回避できるものなのか、とも考えたが、粗忽な私が同じような過ちを犯さないために有効なのは、自分自身が社長になって、経営者の経験をしてみる事だろうと思った。そうすれば、否応なしに社長の心配事が何か体験できるではないか。

という訳で、私は会社を創った理由の1つは、社長としての経験をするためであった。

0 件のコメント:

コメントを投稿